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今回の講義で水俣病のビデオを見て改めてこの病気が日本にもたらした影響がどれだけのものだったか確認できた。

この水俣病という病気が「チッソ株式会社水俣工場から排出されるメチル水銀化合物により汚染された魚介類を摂取することによって生じたもの」と認められるまで13年かかった。この13年間の間に病気にかかった人、水俣病と認めらないままに亡くなった人のことを考えると一個体がもたらしたこの大きな事件は現代のテロのように無責任で理不尽な事件だと思った。

本来国民を守る側にいるはずの国や県が水俣病にかかっている患者さんを助けない。このビデオを見ていると会社や国、それぞれが自分勝手に自分を守るためだけに動いているように見えた。そんな身勝手な相手に適当な説明をされただけで患者さんが納得するとも思えないし、治療費に満たない半端な額のお金を受け取っても助けになるはずがない。政治決着の変わりに水俣病の認定を諦めさせようという発想がなぜ出てくるのか理解できなかった。数値で見ても行政認定では1600万から、司法認定では400万、政治認定では260万からとなっている。同じ水俣病患者のはずなのにこれだけの差がでていたら納得できるはずがない。こんなにも適当な認定基準で決められていたら認定された人も保証をうけていることを負担に感じるのではないだろうか。私は全ての人に少しでも安心できる環境を提供する事が国や県の仕事だと思っている。

このビデオのなかで出てくる松本医師は医師である自分の父親の信念を受け継ぎ水俣病になった父親を自ら剖検し水俣病と断定した、水俣病を認めさせるために親子で動いていた。松本医師の言葉からは少しでもこの病気にかかった人を助けたいと言う気持ちを感じた。こうやって人のために、そして自分の信念の元に動いている松本医師のもとにたくさんの水俣病の人が訪れるのも当然だと思う。このビデオを見たみんなが松本医師のような医師になれたら少しでも世の中はよくなっていくのではないだろうか、私も良い世の中の一部を築けるような良い医師を目指したい。そして少しでも多くの人の助けになれたらと思います。