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NHKスペシャル水俣病についてのVTRを見ての感想
私は今まで水俣病についてメチル水銀によって起こる中毒症であるということや、熊本や新潟で起きた公害病であるということしか知りませんでした。しかし、今回このVTRを見てこの事件の背後には、大変な行政問題があったということを知りました。患者として認定される基準があること、その程度によって国からの補償金の額が違うということ、また被害の拡大を防げなかったという事実。それぞれの問題が難しく、住民と国との間で激しくぶつかり合い、長い年月を経てもなお解決に至っていない様子を見て、事件の重大さをひしひしと感じました。何も知らなかった私にとって、それらはとても難しい問題ばかりで、すべてを理解することはできなかったし疑問もたくさんありました。しかし、その中で私が思ったことは、“行政が公害問題に対して十分な対策を準備していなかったのが、大きな原因の1つなのではないか”ということです。現在は様々な問題を経て改善を重ねてきたために、公害の被害ということがあまり問題にはならなくなってきているのかも知れないけれど、当時はあまり考えもしなかった事態に国も判断を下すのが遅れてしまい、被害拡大につながってしまったのではないかと思います。逆に言うと、このような大きな公害があったおかげで、また地域の人々の必死の抵抗があったおかげで、今の健康な暮らしがあるのではないかとも考えられます。VTRを見ていても、行政の側から答えている人は、必死に訴える住民の方々にどうにかしてあげたい・・・けれど国の法律がこうであるから自分ではどうにもできない、という感じで恐縮しているように見えました。また、一人ひとりの被害者に対して、指定した病院で診断を受け、また審議にかけられて初めて患者として認定してもらえるというシステムに、行政は何か人事のように公害を考えていたんじゃないかという様な印象を受けました。なぜ被害者の側に立って早く十分な対策を講じられなかったのか?と私は強く思いました。熊本や新潟に住む人はもちろん、この事件によって国の行政に対する国民の不信感はものすごく深まったと思われます。それぞれの立場によって考えることは違うかも知れないけれど、実際に力を発揮できるのはやはり行政の立場にいる人たちなので、もっと被害にあった方々について、分かってあげられる人がいない限り、問題は解決できないと思いました。
私は最終的に、国全体がその事件について関心をもち、謙虚になってその一つ一つを検証していくこと、そしてそこで苦しんだことをばねにして少しずつ環境を良くしていくということが大切なんだ、ということを学びました。そしてそのために、今“予防と健康管理”の授業で習っているような細かいことが大切になってくるんじゃないかと思いました。これから公衆衛生などについて学んでいくにあたって、それら一つ一つが私達の環境や健康に関わっているんだということを忘れずに、色々なことを学んでいこうと思います。 4/29