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予防と健康管理
4月5日分レポート
「不信の連鎖」というタイトルのもと、水俣病問題に関するビデオを見た。このビデオでは水俣病に対する医療保障に関する、患者と行政との争いの歴史について述べられていた。水俣病とは、戦後の
しかし、発症当時の技術水準では、水俣病の発症原因を特定することができなかったため、水俣病は医療保険の対象にはならず、医療費を全額患者が負担しなければならなかった。そこで、臨床医などの疫学的な方向からの研究により、水俣病はチッソ株式会社工場から排出されていたメチル水銀が原因であると判明した。これにより、チッソ株式会社と行政が医療保障を行うことが決定された。しかしこの医療保障を受けるためには、行政の認定審査による水俣病であるとの認定が必要であった。
水俣病患者を現地で診察、診断していた松本医師は胸を痛める思いで、約1000人の患者を水俣病と診断した。しかし、この中で行政が水俣病と認めるのはほんのわずかな人数だった。
これは、水俣病であると診断されるための医師と行政との診断基準の違いが原因であり、近年まで医療保障をめぐる長い争いが続いた。
今回見た水俣病に関するビデオの中で、臨床医が臨床からの方向だけではなく、疫学的な方向からもこの病気を研究していった結果、水俣病という重金属中毒を発見することができたという説明があり、私はこのことが大変印象に残っている。将来私が臨床医になったとき、疫学的な方向からも病気を研究できるようになるためにも、社会医学を学ぶことが大変重要であると思う。今回学んだことを忘れずに今後も勉学に取り組んでいきたい。