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今回私は、水俣病患者と国との裁判での争いに関するビデオを見せてもらいました。
まず初めに驚いたのは、水俣病患者であるかないかを決めているのが、医師ではなく知事であるという点です。
52年判断条件というものがあり、それにより実際水俣病患者である人でも、認定委員の方にその判断条件に満たないと判断された場合は、その人は補償すら受けられないのです。
それではあまりにも水俣病患者の人達がかわいそうだと思いました。
2つめに驚いたのが、国が食品衛生法を行使しなかったという点です。
水俣湾沿岸の魚介類が直接水俣病の原因になっているという根拠がないので衛生法の行使を認めなかったらしいのですが、それにより患者数はどんどん増えてしまったのです。
国はチッソ水俣工場にサイクレーターと呼ばれる廃水処理設備を設けるよう指示しましたが、設計段階でそれがメチル水銀に無効であるのはわかっていました。
水俣病に対する国の対応のずさんさに、僕はあきれてしまいました。
いずれのケースにせよ、水俣病で苦しんでいる患者はいっぱいいるのに、国は自分達の利益を優先し、失態を隠しているような感じがしました。
行政と医師の連携が十分に行われない限り、患者が本当に安心できる医療は行えないのではないかと思いました。