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 水俣病というと、私が知っているのは、水銀が自然濃縮により、プランクトンから魚、魚から人へと水銀が蓄積していき、それが、からだにたまり発症した病気という学校で習ったことくらいで、そこに法的な又は人間の間でどのような問題があったかはまったく知らなかった。ビデオを見てこのような問題がよくわかった。


 水俣病の原因は国と熊本県の責任と裁判所が判決を下したにもかかわらず、国はあきらかな水俣病患者を水俣病と認定していない。この矛盾の意味が最初はよくわからなかったが、ビデオが進むにつれてその矛盾がすこし理解できた。


 行政と裁判所では水俣病に対しての見解がそもそも異なっている。行政では特定の病院で認定検査(水俣病には個人差があり認定するのは難しい)を受けた後知事が認定しなければ水俣病とは認定されない。また、行政、司法、政治決着では慰謝料の金額まで異なる。行政では1600万円から1800万円、司法では400万円から800万円、政治決着では260万円である、これだけの金額差があったら行政に認めさせたいと思うのはあたりまえだと思う。


 データ上、普通、感覚障害は0.2パーセントだが、ある地域では10から50パーセントになり、魚を食べた感覚障害は99.9パーセント水俣病であるというデータからもあきらかに熊本県で起きたそれは水俣病である。しかし、国はそれを認めない、しかも、厚生省は当時、メチル水銀を多く摂った魚をとるのを禁止しなければいけないのを食品衛生法が適応しないとして被害の拡大を阻止しなかったという重大な責任がある。
 

このように、行政のミスは火を見るよりも明らかなのにもかかわらず、水俣病と認定しないのはよくわからないが国側の視点の意見もきいてみたかった。


 松本医院の松本院長先生にはとても感銘をうけた、当時からずっと水俣病患者を診てきて、父親が水俣病になり、その父を解剖してまで国に水俣病を認定させようとしているところに感動した。