BACK  ←  Section Top   →  NEXT
・・・・・・・・・・057・・・・・・・・・・

  「水俣病の映像を見た感想」

 今回の映像を見て、私が一番強く感じたのは、政府の対応が遅すぎるということです。

水俣病の公的発見の第一例が1956年であり、政府が水俣病の原因は工場廃水の有機水銀であると公式に認めたのは1968年ですが、その間実に13年もの年月がたっているというのは、政府の対応の仕方に問題があったとしか言いようがないと思います。

映像の中にもありましたが、平成10年に神経学会の疫学調査によって、非汚染地区の感覚障害者の割合が0.2%だったのに対し汚染地区は10〜50%の感覚障害者がいることが判明しました。

もし、水俣病が発見された直後にこのような調査を行っていれば、水俣病の被害拡大は防ぐことができたと思います。

また、医学的認定や被害認定のために患者の審査に長い時間を費やすこともなく迅速かつ科学的なデータに基づいて解決できたはずです。

そして、水俣病患者の人が何回も裁判を起こすこともなかったと思います。



 また、水俣病は医療の問題だけで済ませられるものではないとおもいました。

水俣病の根本的な原因は工場廃水の有機水銀でしたが、直接的な原因は水俣湾の魚を食べることによる食中毒でした。

そのために、漁獲禁止の適用が被害拡大防止の柱だったわけですが、簡単に漁獲を禁止するといっても水俣湾で漁業をして生計を立てていた人はすぐに次の行動に移れるわけではないから、そういう経済的な問題もあったでしょう。

また、水銀で汚染された水俣湾をどうするのかという環境問題もあったと思います。

このように、公害病というのは、感染症や伝染病などと違う面での問題も抱えているのだと分かりました。



 水俣病だけではなく今までの公害病から今後どうするべきかを学び生かしていくことが大事なのだと思いました。