BACK | ← Section Top → | NEXT |
・・・・・・・・・・・030・・・・・・・・・ |
水俣病については高校のときに教科書で四大公害病の一つとして学習し、昔あった公害の原点という認識のみしか持っていなかった。
今回の授業で学習した水俣病は自分の思っていたものと大きく異なるもので、昔の出来事ではなく、今まだ苦しみのつづいている人達が多くいることにとても驚いた。
22年間もの長きに渡って行政と苦闘しつづけ、患者さん達の正当としか思えない主張が認められなく、モニターに映る患者さん達の憤り、落胆する姿に自分も感化された。
水俣病の広がりを止めることのできなかった政府のずさんな対応、水俣病と認められず保険も効かない、国に対しては多くの批難がある。
2004年の最高裁まで争い、やっと国が加害者としての立場に立った今、今後の政府の対応も変わっていくのだろう。
では、将来医師を目指す医学生として自分はどう考えることができるだろう。
水俣病を拡大、放置させ、患者さんへずさんな対応をした国、県は悪いし、当然責任を果たさなければならない、しかしそれにはあとどれほどの時間がかかるのだろうか、原告の患者さんの平均年齢は70歳を超えている事からも患者さんはかなり高齢になる、はっきり言えば生い先永いとは言えない年頃だ、実際最高裁まで争う間に多くの患者さんが亡くなっている。
果たして満足して死ぬことができたのだろうか。
患者さんは、水俣病になり、いろんな障害とともに生きながらも長い間水俣病と認めらずとても苦しんできたと思う。
ただ、その分患者さんには幸せになってほしいと思うのだ、私は患者さんを前向きにさせるような医師になりたい、つまり患者さんのQOLを高められるような医師になりたいのだ。
どうしようもない病気の症状などもあるかもしれないが医師としてのサポート、精神的ケアなどできることも多くあるはずだ。
最後に、この水俣病のような現状があることをいつも頭に入れておき、自分に何ができるのかを考えていきたい。