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私は、講義でNHKのビデオを見るまで、水俣病については全く知りませんでした。

中学で習う知識しか持ち合わせておらず、ビデオを見て驚きました。

なぜなら私の中では、水俣病は過去に起きた事故であって、現在にいたっては既に問題解決がなされているため、終わった出来事だと消化されていたからです。

私は自分が恥ずかしくなりました。

これからこのような産業における事故、公害などの問題に医学生という自覚をもちながら知っていこうと思ういい機会になりました。

ビデオの内容で一番驚いたのは、先に述べましたがやはり未だに問題解決がなされていないということでした。

何度も国と原告とが話し合いの場を設けている場面を観ましたが、結局平行線をたどるという結果でした。

これには、ただビデオを観た私ですら憤りを覚えました。

裁判所により、国が加害者であるという判決が下っているのにもかかわらず、もめている場面では、国は国民のことをどのように見ているのかなと、疑問を感じました。

また印象深かったのが、水俣病患者を診療する医師の姿でした。

水俣病は行政、司法などが設定するものによって医療費が異なるために、診断名を下すとき、その医師は迷いがありました。

医師は国から資格を与えられて初めて診療行為が出来る。

しかし、この医師のようにいくら決められたこととはいえ、明らかに水俣病なのに、 症状などによって、治療費に差がでるのを分かっていながらでも、診断を下すのはつらいであろうと思いました。