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今回NHK『不信の連鎖』の講義を受け、水俣病というのはこんなにも恐ろしく、
歴史の深い事件であるとは正直驚いた。
以前にも、日本の社会で水俣病(四大公 害病)について学習し、その時はただたんに、工場から流れ出たメチル水銀に汚染
された魚を、人が摂取し、病に侵された出来事としてしか捉えていなかった。
しかし、今回で水俣病のある程度の中身が解り、今現在も病による後遺症で苦しんで
いる患者を観て、最も憤りを感じたのはこの日本国だ。
国側としては、病と認定してしまうと、一人当たり1600〜1800万もの補証金
を患者に支払わなければならないが、あまりにも患者と認定してしまうと、国の財政
に支障をきたしてしまう。
だからといって、明らかに医師が病であると認めてもおかし くない患者を偽病であるというのには、国側の対応のなさを感じる。
これでは医師側の立場としても、国側から幾分かの圧力が加わっているので、普通では病
と認定しないといけない患者を、認定できない潜在患者がごろごろといるので、医師側と
してもやりきれなさを感じるのではないかと思う。
国側としては、補償金をいかに最少限に食い止めるかに四苦八苦しているのではないか?
しかし、それには大きな問題があると思う。
そういった一方通行の中で、国側が出した最終手段としては、政治決着で患者一人当たり
に260万という提示をし患者もそれで合意をした。
患者も苦悩の選択によって、つまり、ここでふんぎりをつけないと高齢者救済の余地はな
いので患者側も合意を出したのであろう。
最高裁判決に対する国の見解は、認定基準を改めるべきとは判決に書かれてないから基準
が否定されたとは受け止めないというものだ。
反省は少しもない。
国は、司法によって再検討が求められた水俣病の病像の解明にこそ取り組むべきだと思
う。
そこに立ち返って救済策を考えれば、患者団体にも受け入れられると思う。
今回の場合は、水俣病に関しての事件であったが、その他の公害病に関しても色んな問題
が未だ未解決のままである。
今回の講義のおかげで、その他の公害病についてもその内容 を知っておく必要があると思った。