雨の匂いが たちこめる
涙色の午後
指の先から 思い出が
あふれだしてくる
あなたを待った あの店先も
今頃 雨に煙って
あなた好みの セーターも
今日は寒すぎて
熱い紅茶に 溶かし込む
寂しさをみんな
さしいままで 暮らしていたい
あなたの いない今でも
二人で歩いた あの小径にも
あゝ 暖かい 春の雨が
あなたの残した ぬくもりだけは
いつまでも 守ってゆくの
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雨の匂いが たちこめる
涙色の午後
一人ぼっちも 好きなのと
強がりの私
扉のかげの 白い雨傘
あなたの 忘れ物なの
最後に別れた あの公園を
あゝ その傘で 歩きましょう
あなたの残した ぬくもりだけに
いつまでも 抱きしめられて |