ぼくは 一人の世界で
過ぎ行く秋に
口を つぐんで歩くの
淋しい日暮れは
今日も 落葉を踏みしめ
街角 行けば
誰も 慌ただしく歩く
後ろ姿ばかりさ
誰か ほがらかな 手紙を
ぼくの ポストに入れて
下手な 言葉しか 書けないけれど
返事を 出すくらい
ぼくだって できるから
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街の 人ごみ逃れて
一人の部屋で
窓の 景色を見つめて
ため息ばかりさ
ガラス 震わす風にも
挨拶出来ず
頬を 固く強ばらせて
淋しい歌 つぶやく
誰か この部屋の 扉を
そっと たたいてほしい
何も もてなしは 出来ないけれど
ほほえむことくらい
ぼくだって できるから |