冬 時 計
眠りたらずに 目が醒める
女一人の 寒い部屋
枕もとでは 置時計
五時と少しを 指している
灯したままの スタンドに
手を伸ばすのも めんどうで
枕もとでは 置時計
ひとりぼっちを 刻んでる
手紙一つも 残さずに
消えた男の 忘れ物
音も揃わぬ 古ギター
知らん顔して 眠ってる
開いたままの 小説は
筋を追う気も 起らずに
音も揃わぬ 古ギター
何故かいとしく 見つめている
この冬越せば 何もかも
変えてみたいと 思うけど
枕もとでは 置時計
春は遠いと 回ってる
作詞:浅倉 香(青い実 No. 53)
作曲・編曲・演奏・歌唱:大槻剛巳
1975.11.09.