日 没 前
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窓辺に 枯れた植物
西日が 影に引き裂く
12階の 広すぎる部屋
踞った 時の重さに
もう 酔いつぶれている

埃が 積もる書棚に
セピアに くすむ名残りが
古いフィルム 原作集め
読み飛ばした あれは確かに
ただ あなたの気怠さ

 遠くに 港が見える
 せめて 汽笛 聞こえるなら
 別れの余韻 美しく
 あぁ 鍵を おろせたのに


裸の 後ろ姿が
無言の 別離映して
震えもせず 痩せた胸さえ
ただ瞳に 疲れを宿し
そう 出ていったあなた

言葉を 捜す間もなく
扉が 強く閉まった
あの朝から 幾度夕陽が
沈む場面 繰り返されて
この 心が凍てつく

 遠くに 港が見える
 せめて 汽笛 聞こえるなら
 夕陽が 世界を包む
 せめて ウィンドウ 開け放てば
 別れの余韻 美しく
 あぁ 鍵を おろせたのに

作詞・作曲・編曲・演奏・歌唱:大槻剛巳
1985.06.23.