窓辺に 枯れた植物
西日が 影に引き裂く
12階の 広すぎる部屋
踞った 時の重さに
もう 酔いつぶれている
埃が 積もる書棚に
セピアに くすむ名残りが
古いフィルム 原作集め
読み飛ばした あれは確かに
ただ あなたの気怠さ
遠くに 港が見える
せめて 汽笛 聞こえるなら
別れの余韻 美しく
あぁ 鍵を おろせたのに
|
裸の 後ろ姿が
無言の 別離映して
震えもせず 痩せた胸さえ
ただ瞳に 疲れを宿し
そう 出ていったあなた
言葉を 捜す間もなく
扉が 強く閉まった
あの朝から 幾度夕陽が
沈む場面 繰り返されて
この 心が凍てつく
遠くに 港が見える
せめて 汽笛 聞こえるなら
夕陽が 世界を包む
せめて ウィンドウ 開け放てば
別れの余韻 美しく
あぁ 鍵を おろせたのに |