2003~2020年度の川崎医科大学衛生学の記録 ➡ その後はウェブ版「雲心月性」です。
2017年度 環境社会医学ユニット(環境医学領域)講義末試験 2017.7/12 .実施(全問題)

1 上水道・下水道についての説明として正しいものはどれか。
a. 水道水中の残留塩素とは遊離型残留塩素と結合型残留塩素の総量を指す。
b. 下水処理の二次処理では散水濾床法が広く用いられている。
c. 上水の浄化法として日本では緩速濾過法が最も広く用いられている。
d. 上水中のクリプトスポリジウムの除去には塩素消毒が有効である。
e. 水道法は上水の塩素消毒時の基準値を“投入する塩素量”として定めている。

2 石綿肺の説明として正しいものはどれか。
a. 中でも半導体の製造工場従事者に多い。
b. 両側にびまん性の粒状影が見られる。
c. 胸膜プラークは石綿曝露指標として重要な所見である。
d. 石綿肺患者は症状に関わらず石綿健康被害救済法の救済対象となる。
e. 著しい類上皮細胞肉芽腫が見られる

3 水道水の水質基準項目についての説明として正しいものはどれか。
a. 高濃度の亜硝酸態窒素は幼児におけるメトヘモグロビン血症の原因となる。
b. ジブロモクロロメタンはカビ臭の原因物質である。
c. 塩化物イオンは塩素消毒の副生成物である。
d. 平成15年の改正によりトリハロメタン類が追加された。
e. 一般細菌の基準は「検出されないこと」である。

4 職業現場での化学物質の取り扱いおよび職業癌の説明として正しいものはどれか。
a. 最近、オルト-トルイジンのリスクアセスメントが義務づけられた。
b. ジクロロメタン取り扱い作業者の膀胱癌は職業癌にあたる。
c. 健康管理手帳の交付対象者には労災保険から医療費が支給される。
d. ベリリウム及びその化合物は労働安全衛生法により製造が禁止されている。
e. α-ナフチルアミン及びその塩の取り扱い作業は健康管理手帳の交付業務にあたる。

5 騒音性難聴についての説明として正しいものはどれか。
a. 騒音職場では年に1度の定期的な聴力検査が義務づけられている。
b. 聴力低下は多くの場合で片側性に生ずる。
c. 騒音曝露を中止すると聴力低下が軽快する。
d. 聴覚補充現象という聴覚過敏の症状がみられる。
e. 400Hz付近の周波数で最も聴力低下を起こす。

6 じん肺の説明として正しいものどれか。
a. コルク肺は肺の繊維増殖性変化を呈しじん肺に該当する。
b. じん肺法施行規則では肺結核をじん肺の合併症と認めている。
c. じん肺健康診断ではX線検査所見に関わらず必ず肺機能検査が行われる。
d. 粉じん作業を中止することで症状は著しく改善する。
e. 主に10マイクロメートル以上の粒子がじん肺を引き起こす。

7 職業性疾病についての説明として正しいものはどれか。
a. 酸素欠乏症等防止規則では酸素濃度が38%未満である状態を酸素欠乏と定義している。
b. 熱失神では小脳症状などの脳機能障害が見られる。
c. 作業要因のみで引き起こされる疾患の総称を作業関連疾患と呼ぶ。
d. Raynaud(レイノー)症状は全身振動が引き起こす健康障害の特徴である。
e. 腰痛は休業4日以上の職業性疾病の6割を占める労働災害である。

8 粉じん作業従事者がじん肺健康診断において下の所見を示すとき、胸部X写真の病型分類、じん肺法による管理区分、の説明として正しい組み合わせはどれか。
a. 病型分類:第2型, 管理区分:管理2
b. 病型分類:第1型, 管理区分:管理2
c. 病型分類:第1型, 管理区分:管理4
d. 病型分類:第2型, 管理区分:管理3
e. 病型分類:第3型, 管理区分:管理2

9 感染症法に基づく届出基準について,図のA~Eとして正しいのはどれか。
a. A:診断後3日以内に B:保健所長 C:厚生労働大臣 D:7 E:梅毒
b. A:診断後直ちに B:特定機能病院長 C:都道府県知事 D:3 E:腸管出血性大腸菌感染症
c. A:診断後直ちに B:保健所長 C:厚生労働大臣 D:3 E:腸管出血性大腸菌感染症
d. A:診断後直ちに B:保健所長 C:都道府県知事 D:7 E:梅毒
e. A:診断後3日以内に B:特定機能病院長 C:都道府県知事 D:7 E:腸管出血性大腸菌感染症

10 バイオテロリズム・カテゴリ―Aに分類される病原体(毒素)について,図のA~Cとして正しいのはどれか。
a. A:コレラ菌 B:ペスト C:2類
b. A:炭疽 B:ペスト C:4類
c. A:炭疽 B:マラリア C:5類
d. A:炭疽 B:ペスト C:1類
e. A:コレラ菌 B:マラリア C:3類

11 予防接種とワクチンについて,図のA~Eとして正しいのはどれか。
a. A:コンポーネントワクチン B:トキソイド C:Hib感染症 D:ヒトパピローマウイルス感染症 E:破傷風
b. A:トキソイド B:無毒化生ワクチン C:破傷風 D:Hib感染症 E:ヒトパピローマウイルス感染症
c. A:コンポーネントワクチン B:トキソイド C:ヒトパピローマウイルス感染症 D:Hib感染症 E:破傷風
d. A:トキソイド B:コンポーネントワクチン C:Hib感染症 D:破傷風 E:ヒトパピローマウイルス感染症
e. A:トキソイド B:コンポーネントワクチン C:Hib感染症 D:ヒトパピローマウイルス感染症 E:破傷風

12 図に本邦における感染症の罹患率と患者数が示されている。疾病は何か。
a. 重症熱性血小板減少症候群   b. 結核   c. AIDS    d. 梅毒    e. 麻疹


13 インフルエンザについて,図のA~Eとして正しいのはどれか。
a. A:ヘムオキシナーゼ B:ノイラミニダーゼ C:E型 D:変異しやすい E:低い
b. A:ヘマグルチニン B:ニトリック・オキサイド合成酵素 C:トリ型 D:変異しにくい E:高い
c. A:ヘマグルチニン B:ノイラミニダーゼ C:C型 D:変異しにくい E:低い
d. A:ヘムオキシナーゼ B:ノイラミニダーゼ C:ブタ型 D:変異しにくい E:高い
e. A:ヘマグルチニン B:ニトリック・オキサイド合成酵素 C:E型 D:変異しやすい E:低い

14 カンピロバクター食中毒について,図のA~Cとして正しいのはどれか。
a. A:鶏肉 B:6~48時間 C:血便,血小板減少,腎機能障害
b. A:豚肉 B:7~14日 C:眼瞼下垂
c. A:鶏肉 B:6~48時間 C:腹痛,下痢
d. A:鶏肉 B:2~7日 C:腹痛,下痢
e. A:豚肉 B:2~7日 C:テネスムス,膿粘血便

15 記事の赤い四角に当てはまるのは,図のA~Eとのはどれか。
a. 図A  b. 図B  c. 図C d. 図D  e. 図E

16 アレルギー物質を含む食品の表示で,表示が義務化されている原材料が4つ足りない。当てはまらないのは図のA~Eのどれか。
a. 図A  b. 図B  c. 図C d. 図D  e. 図E

17 水俣病に関して,図のA~Dとして正しいのはどれか。
a. A:カドミウム B:生物濃縮 C:Fanconi症候群 D:胎児性水俣病
b. A:メチル水銀 B:生物濃縮 C:Hunter-Russell症候群 D:胎児性水俣病
c. A:カドミウム B:土壌汚染 C:Hunter-Russell症候群 D:早期水俣病
d. A:メチル水銀 B:土壌汚染 C:Hunter-Russell症候群 D:腎性水俣病
e. A:メチル水銀 B:生物濃縮 C:Fanconi症候群 D:腎性水俣病

18 大気汚染物質の中で光化学オキシダントについて,図のA~Dとして正しいのはどれか(CとDの順序は問わない)。
a. A:30.0%(急速に改善) B:梅雨 C:脱髄症状 D:皮膚の硬化
b. A:0.3%(横ばい) B:夏 C:粘膜刺激症状 D:手足のしびれ
c. A:15.0%(横ばい) B:秋 C:横紋筋融解症 D:ミオグロビン尿
d. A:98.2%(横ばい) B:春 C:パーキンソン様症状 D:冠動脈硬化
e. A:50.0%(低下中) B:冬 C:肺癌 D:蕁麻疹

19 ダイオキシンについて,図のA~Dとして正しいのはどれか(A~Cの順序は問わない)。
a. A:神経毒性 B:発がん性 C:催奇形性 D:耐用一日摂取量
b. A:聴神経腫瘍 B:感作性 C:催奇形性 D:許容一日摂取量
c. A:認知症 B:肺毒性 C:胎児代謝性疾患 D:耐用一日摂取量
d. A:パーキンソン症候群 B:発がん性 C:胎児代謝性疾患 D:許容一日摂取量
e. A:髄膜腫 B:感作性 C:催奇形性 D:耐用一年摂取量

20 産業医の職務について,図のA~Dとして正しいのはどれか。
a. A:選任 B:環境測定 C:職場巡視(少なくとも半年に1回) D:産業保健委員会
b. A:地元医師会への派遣依頼 B:面接指導 C:職場巡視(少なくとも月1回) D:衛生委員会
c. A:特定機能病院への派遣依頼 B:面接指導 C:職場巡視(少なくとも二ヶ月に1回) D:運営委員会
d. A:選任 B:面接指導 C:職場巡視(少なくとも月に1回) D:衛生委員会
e. A:選任 B:面接指導 C:職場巡視(少なくとも三ヶ月に1回) D:運営委員会

21 産業保健における定期健康診断について,図のA~Dとして正しいのはどれか。
a. A:血中脂質 B:血圧 C:血糖検査 D:心電図
b. A:血中脂質 B:血圧 C:胸部レ線異常 D:血糖検査
c. A:血圧 B:血中脂質 C:心電図 D:血糖検査
d. A:血圧 B:血中脂質 C:血糖検査 D:心電図
e. A:血中脂質 B:血圧 C:心電図 D:血糖検査

22 図は産業衛生に関連する統計である。図のA,Bとして正しいのはどれか。
a. A:業務上疾病としての災害性腰痛 B:業務上疾病罹患全数
b. A:脳・心臓疾患の労災認定(死亡) B:脳・心臓疾患の労災認定(死亡以外)
c. A:労災認定の悪性中皮腫 B:労災認定のアスベスト関連疾患
d. A:労働災害の死亡者数 B:労働災害の休業4日以上の死傷者数
e. A:精神障害の労災認定(自殺) B:精神障害の労災認定(自殺以外)

23 鉛によるヘモグロビン代謝障害の図について,図のA~Eの中で減少する組み合わせで正しいのはどれか。
a. A と C   b. C と E   c. C と D   d. B と E    e. B と D

24 ベリリウムによる中毒の図について,図のA~Cとして正しいのはどれか。
a. A:線維化病変 B:間質性変化(硝子膜形成を伴う)) C:結核
b. A:線維化病変 B:細気管支の拡張と粘膜下リンパ球浸潤 C:非定型抗酸菌症
c. A:肉芽性病変 B:非乾酪性肉芽腫性病変(ラングハンス巨細胞を伴う) C:サルコイドーシス
d. A:肉芽性病変 B:非乾酪性肉芽腫性病変(ラングハンス巨細胞を伴う) C:結核
e. A:肉芽性病変 B:間質性変化(硝子膜形成を伴う) C:サルコイドーシス

25 栄養の欠乏と過剰で正しい組み合わせはどれか。
a. ビタミンK欠乏:核黄疸  b. 亜鉛欠乏:味覚障害  c. ビタミンD過剰:骨軟化症
d. ビタミンB12欠乏:壊血病  e. カルシウム過剰:高血圧

26 機溶剤の代謝物の検査の表について,図のA~Dとして正しいのはどれか。
a. A:フェノール B:メチル馬尿酸(MHA) C:馬尿酸(HA) D:2,5-ヘキサンジオン
b. A:メトヘモグロビン B:馬尿酸(HA) C:メチル馬尿酸(MHA) D:砒素
c. A:フェノール B:馬尿酸(HA) C:メチル馬尿酸(MHA) D:2,5-ヘキサンジオン
d. A:2,5-ヘキサンジオン B:馬尿酸(HA) C:メチル馬尿酸(MHA) D:フェノール
e. A:2,5-ヘキサンジオン B:メチル馬尿酸(MHA) C:馬尿酸(HA) D:フェノール