2003~2020年度の川崎医科大学衛生学の記録 ➡ その後はウェブ版「雲心月性」です。
臨床環境医学 編集後記 Vol.25 No. 2. 2016
 2016年も過ぎていきます。熊本・阿蘇・大分,さらには鳥取県中部,さらに福島県沖でも地震があり,津波の映像が再び報道されました。3.11からの復興の進み具合の詳細は,十分掌握しておりませんが,日本臨床環境医学会では,その記憶と復興への誓いを改めて心に刻むべく,第25回日本臨床環境医学会学術集会が「新たな環境汚染と臨床環境」をテーマに年 6 月 17 日(金)~18 日(土)に,福島県郡山市で開催されました。野崎先生が会長を務められ建築環境なども含めて,環境と健康の相互関係につい
て,沢山学べるよい学術集会であったと感じております。関係の皆様,本当にありがとうございました。
 今号では,郡山での学術集会の講演からの総説なども多くご投稿いただいております。学術集会のその場で,多くのデータなどを拝見しながら,聴かせて頂いた上に,このように誌面で再確認していける状況は,私達の知識の集積と整理にも役立つものを思っております。
 今年のノーベル医学・生理学賞は,大隅良典先生が「オートファジーの仕組みの解明」ということで受賞され,とっても嬉しいニュースでした。臨床環境学的にも,環境中物質の細胞レベルでの影響を考える中で,「オートファジー」の概念を導入して研究することも大切なことになっていくのでしょう!I have a pen, an apple and a pineapple---(*´ ▽ `*) 世の中,何がどうトレンドになっていくのかもわかりませんが,人々の健康にまっすぐに向き合って行くことで,時勢に流されない研究も大切になってくるのかも知れません。さらに,研究領域というのは,非常に多岐に渡っており,それぞれの研究者が対峙できる分野というのは,限りがあるのかも知れません。「逃げるは恥だが役に立つ」,つまり「自分の戦う場所を選べ」ということで,研究者それぞれが,自分が向き合うべき課題に真摯に対応しながら,その集積として科学が,そして,環境と健康への問題が,少しずつでも改善していくものでしょう! 時に「恋ダンス」のステップでも踏みながら,2017年も,頑張っていきましょう!

大槻剛巳