2007.7.12.

今年度から川崎医科大学附属高等学校の1年生の授業で,大学から教員が来て,何か・・そう,生徒さんたちのモチベーションを高めたり,将来へのやる気を促したりするようなプログラム:MSH〜多分 Medical School Hour が始まりました。

で,大槻は,7月分(月1回だそうです)として行って来ました。

大槻にとっては,懐かしい母校です。今回は1年生が対象の講義でしたが,35年前に僕は,反対側に座っている立場でした。

そして,そういう昔を懐かしんで,自作曲のファイルを繰っていたところ,丁度,高校1年生の時に,その時の心境のままに作ったオリジナル曲がありました。

「涙雨」です。

高校の時には,同級生とバンドを組んで,校内でコンサートとかもしていて・・・何人かの同級生と今MLでやり取りをしていますが,なんと,曲名や,歌詞やメロディーの一部,あるいは,別の「脱線列車」という曲まで覚えていてくれている皆が居て,僕は,感動・興奮・・・そして,本当に当時を思い出しました。
あまり何もわからないまま附属高校に入って,寮生活・・・両親は自分を信じて,医師になる途に進んだことで,あるいは過度の信頼と安心を寄せてくれている。親元を離れて,一人で倉敷や岡山の街並みを歩いてみても・・・実は全く独立できていない自分を知るだけになる・・・何ヶ月か付き合いだすと,友人関係もいろいろと複雑になる・・・・・丁度そんな時期に作ったのが,「涙雨」でした。


でも,実際に医師になって,今の自分のように,研究職になってみると,結局,当時,思い描いていたのは,実は矮小な世界しか知らないそれこそ独りよがりの想念でしかなかったこともよくわかります。

但し,それは,今の自分だからこそ,わかること!

なので,そういうのは誰か先輩が,それでも後輩に少し,伝えてあげても良いのでは? って思いを込めて・・「涙雨」の歌詞を紹介して,唄って来ました。

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涙 雨


雨の夜は 一人の部屋で 降り続く雨に 心を濡らす
一人歩きが 出来るつもりで 一人ぼっちで 街を渡ると
吹きすぎる風が 心の隙間を 冷たくよぎる 今日も
そんな悲しい 涙雨

雨の夜は 一人の部屋で 降り続く雨に 心を濡らす
まるで飼われた 小鳥のように いつも小さな 鳥かごの中
笑い合うことも 忘れたやつらと ただなんとなく 生きる
そんな悲しい 涙雨

雨の夜は 一人の部屋で 降り続く雨に 心を濡らす
傷つけ合って 慰めあって そんな言葉の 戯れの中
口に出すこと 虚しい言葉に 一人で口を つぐむ
そんな悲しい 涙雨

今日の雨に かすかに匂う 振り捨てた過去の 甘い香り
信じてくれる 人がいるから 誉という名の 荷物を背負い
うつむいたままで 辿って行くのさ この穏やかな 道を
時に聞こえる 雨の音
そんな悲しい 涙雨
生坂にて

1972〜1973年 冬

作詞・作曲  大槻剛巳