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水俣病というものは、小学校の教科書にも出てくるし、訴訟の話もテレビや新聞でよく報道されているので簡単な知識はあった。しかしビデオを観て予防と健康管理、つまり公衆衛生学の重要性を知った。

教科書によると公衆衛生学とは「組織された地域社会の努力を通して、疾病を予防し、生命を延長し、身体的、精神的機能の増進をはかる科学であり、技術である」とある。この実現のためには、行政、司法、医療機関の連携が大切だと思う。しかし水俣病においては、行政認定や司法認定などさまざまな認定があるなど、連携はみられないし、町医者の意見も参考程度にしかあつかわれてないという。

医者は患者さんがきて、病気であるか否か、病気なら何の病気かを診るだけなのだろうか。そんなことでは防げる病気も防げないと思う。もちろん医者だけでは視野が狭くなるので、やはり先に述べたように、司法や行政との横並びの連携が重要である。医者にとって訪れる患者さん一人一人を診て治療することは大切であるが、患者さんを含めた社会集団を診ることも大事であると思う。それが一人一人の患者さんを助けることにもつながる
はずである。

水俣病は食品衛生法を適用し、漁獲を禁止すればこのような事態にはならなかったという。しかし当時の厚生省が、水俣湾の全ての魚が汚染されているとは断言できないという理由で、適用させなかったのである。確かに漁師などには食品衛生法が適用されるのは痛手だったのだろうが、結局は漁師にも多大なる影響を与えたのである。目先のことにとらわれないことも大切である。

やはり連携が大切で、病気というものは個人差が生じるものだと思うので、司法や行政が独自で判断基準のようなものを決めつける必要はないと思う。さまざまな角度から考え、予防していくことが大切だと思う。